「2012年Jリーグ1部、自分なりの開幕直前考察(その3)。」

  こんにちは。愛球人と申します。

 

 「愛球人ホームページ。」、第10回のブログエントリーの論題は、「2012年Jリーグ1部、自分なりの開幕直前考察。」です。

 

 実質的には、ブログエントリーの本論の9回目になります。そして、サッカーブログエントリーの3回目になります。

 今回は、掲示版とのコラボエントリーの2回目、という位置付けです。今回は、「議論するエントリー」と「感じることを伝えながら読者と意見交換をもしたいエントリー」の中間型という位置付けになるかなと思います。

 今回は、とても長い文章になるので、(その1)(その2)(その3)に分割して執筆させて頂きます。

 

 ブログ本体については、コメント欄は設けません。その一方で、読者との議論、意見交換的な意味付けとして、掲示板にてコメント欄を設けさせて頂く感じです。

 私のHPにおけるブログは、過激な内容がどうしても多くなることかと思いますが、今回は、とりわけ過激になってしまうかな、と正直感じております。読者の中には、私の考えに共感できない、と考える人間も少なからずいるかなと思いますが、こういう考えもあるんだ、と解釈して御拝読して頂けると、とても有難く思います。

 

 では、(その2)の続きから、考察を始めます。

  恐らく、主観全開になるであろうことを御理解頂けますと、とても有難く思います。

 

 

 (その2)では、ACL出場チームを主体として考察しました。

 (その3)では、その他のチームの中でも、自分が注目しているチームを主体として、考察したいと思います。

 

 

 (図解5)愛球人が考える、2012年浦和理想布陣。

 システム(3-4-2-1)

 監督(M・ペトロビッチ)

 

                     達也

                 (デスポトビッチ、ポポ)

             元気               直輝

            (エスクデロ)          (マルシオ)

 梅崎                                       高橋峻

(宇賀神、野田)                                 (平川)

             柏木               小島

            (岡本)             (鈴木啓)

         槙野          阿部勇          スピラノビッチ

        (坪井)      (永田充、山田暢)       (濱田)

                     加藤順

                    (山岸範)

 

 

  

 (図解5B)愛球人が考える、2012年浦和の持ち味と不安要素。

 

 [持ち味]

 (1)戦術家であるミシャ(ミハイロ・ペトロビッチ)の指揮官就任。そしてそれに伴う「浦和としてのサッカースタイル」の構築及び具現化への強い期待感。

 (2)個人能力の高さ。レギュラー陣の潜在能力ならば、ACLレベルに到達しても何ら不思議ではない。

 (3)有望な若手、中堅を多く擁すること。特に、「直輝と柏木の共存」に成功できれば、それだけでも大きな戦力アップになる。

 (4)指揮官の志向するスタイルを熟知する、柏木、槙野の存在。また、イングランドでもまれた阿部勇の豊富な経験も、強みといえるだろう。

 (5)熱狂的なサポーターの存在。特にホームでは精神的なアドバンテージになり得る。

 

[不安要素]

 (1)良くも悪くも頑固な指揮官であるので、「3-4-2-1」が機能しないときのオプション的布陣を用意できるか否か。また、ミシャのスタイルは難解なメカニズムといわれるので、それに対応できる選手が限られる危険性も起こり得ること。

 (2)ここ2年間の懸案といってよい「直輝と柏木の共存」を具現化させ得るか。失敗すればそれだけでも不協和音リスクを内包することになる。

 (3)選手構成のアンバランス性。特に2列目に有能な選手を多く擁する一方で、特にCFに若干の手薄感がある。思い切ったコンバート策も有益ではと思うのだが。

 (4)世代交代も、ここ3年間の懸案事項である。勿論、経験豊富なベテランの存在の重要性は言わずもがなだが、費用対効果に見合わぬパフォーマンスと判断されたときに、プレータイムを落とす勇気をどれほど持てるのか。

 (5)有望な若手を多く擁することは大きな強みであるが、直輝、元気、高橋峻、濱田には、ロンドン五輪出場の可能性がある。少なくとも複数選手が五輪期間中不在になることが想像されるだけに、その際のチームマネジメントをどうするのか。

 (6)結果が出なかったとき、一部のサポーターがしびれを切らして解任論を叫び出すリスク。かつてフィンケ政権はわずか2年間で、志半ばで挫折に事実上追い込まれたが…。

 

 

 今季、ACL出場チーム以外での、最大の注目チームを挙げよ、といわれれば、その一つに浦和を挙げます。

 理由は、戦術家であるミシャの指揮官就任によるところが大きいです。

 ただ、結論的に述べましょう。

 

 

 「『石の上にも3年』『ホップ、ステップ、ジャンプ』という言葉があるが、今季はミシャ政権のあくまでも1年目に過ぎない。志向するサッカースタイルには強い可能性を感じるだけに、今季及び来季は、あくまでも『内容重視』に徹することが大切かと。

 勿論、例えばJ2降格が現実性を帯びれば、話は別かもしれないが、よほどのことがない限り、今季及び来季は、安直な指揮官解任論は叫ぶべきではないと強く考える。勝負の年は、3年目、つまり、2014年シーズンと位置付けるべきであろう。

 尤も、ミシャ政権におけるチームの、選手の成長を温かく見守るスタンスの重要性を主張するといえども、『建設的批判』は大いにあってしかるべきである。それを経てこそ成長できると考えるからである。

 一つの目安として、今季は『勝ち点50』に到達できれば及第点かと。ただ、結果を焦らず、地道に土台作りに専念して欲しいと強く願う。」

 

 

 良くも悪くも、浦和は、「熱狂的なサポーター」あってこそのチームです。

 そして、「数は力」をエネルギーの源泉にしてきた感がありますし、現に、浦和のいないJ1は、特に集客面でのダメージがあまりにも甚大でしょう。

 そして、「ファンあってのスポーツ」です。やはり、浦和が、ACLトロフィーを、そしてJでの優勝争いを、コンスタントに担い得るチーム力を取り戻すことが、J1にとって望ましいことの一つであるように、自分は考える訳です。

 そのためにも、「浦和としての自分たちのサッカースタイル」の構築及び具現化は、もはや待ったなしです。ですから、ミシャ政権は、「最大にして後のない壮大なチャレンジ」と自分は考えております。

 

 とはいえ、ただでさえ、ミシャスタイルは難解といわれます。正直、自分も、「ミシャスタイル」のメカニズムの理解は、今季の大きなテーマです。

 ただ、手持ちの選手の個人能力は高いだけに、そうなると、いかにして選手を組み合わせるか、ということが、求められるように映る訳です。

 

 現状として、CFの手薄さが指摘されており、CFはデスポ、ポポ、マルシオ、エスクデロ、達也、5人の選択肢がいわれております。

 いずれの方法もあってよいと思いますし、個人的には、特に達也の完全復活を強く希求しておりますが、自分は、下記の方法もテストしてもよいのではないか、と思うのです。

 

 「CF元気、2シャドーに直輝と柏木」。

 自分は、このことを、強く期待しているのです。

 

 この場合、元気は「裏への飛び出し」「前線からの守備」の2つが主たるタスクになりますが、それと共に、「足元でのポストプレー」も求められると思うのです。現に寿人は、これにより「9.5番的なプレースタイル」、つまり、「前線での創造性」を発揮できるFWへと進化を遂げました。

 そう。もしも、「元気、直輝、柏木」の前線トリオが誕生できれば、直輝と柏木の共存問題も解決できますし(その場合、守備陣の構成の問題が生じ得るし、クロスの工夫をどうするの、という問題も起こり得るが)、元気の創造性の向上にもなり、それがチーム力の向上になるのでは、と思う訳です。

 

 また、ベテランの処遇も重要な要素になるかと思いますが、特に阿部勇には、強い注目感を抱きます。1年半のイングランドでの経験をチームに還元してくれると思いますし、卓越するサッカーIQは、それだけでも「違い」になり得るといえるでしょう。

 守備のマルチロールでもあるので、プラスの意味で起用法に頭を悩ませるかもしれませんが、状況に応じて、リベロなりCHなりでの起用の使い分けが可能かなと思いますし、何よりも、チームを鼓舞し得る「精神的支柱」として強く期待できる感じがある訳です。

 阿部勇、達也が、「若手の手本」として君臨できれば、それだけでも大きなプラスの要素になり得るはず、と自分は強く考える訳です。

 

 

 

(図解6)愛球人が考える、2012年大宮理想布陣。

 システム(4-2-3-1)

 監督(鈴木淳)

 

                     ラファエル

                    (長谷川)

 曹永哲                 カルリーニョス              東

(鈴木規、橋本早)           (金久保)                (市川)

             上田               青木拓

            (金澤)             (片岡)

 下平          金英権              菊地光         渡邉大

(村上)        (坪内)             (深谷)        (渡部)

                     北野

                    (江角)

 

 

 (図解6B)愛球人が考える、2012年大宮の持ち味と不安要素。

 

 [持ち味]

 (1)ラファエル、曹永哲、カルリーニョスという、個人能力の高い3人の外国人選手の存在。起用法によるが、うまくかみ合えば、存在自体で相手守備陣を混乱させ得る可能性を感じる。また、曹永哲が新潟時代に指揮官の戦術を経験していることも、強みといえるだろう。

 (2)選手層がそれなりに揃っていること。また、指揮官の志向するスタイルの構築に着手して、今季で3年目になるので、それなりに熟成されつつあること。

 (3)上田、東、下平等、潜在能力の高い有望な若手、中堅の存在。

 

[不安要素]

 (1)カルリーニョスが額面倒れになった場合。あるいは、攻撃陣として有能な外国人を3人も擁することで、攻撃面で個人能力への依存度を増大させるリスク。

 (2)メンタル面の弱さ。ここ数年、移籍市場での補強は的確なはずなのに、特にシーズン中盤以後、徐々に調子を落としていき、終盤になり帳尻を合わせて残留、というパターンになっている。

 (3)金英権、曹永哲、東、青木拓と、最大で4人にロンドン五輪出場の可能性がある。その際、どのような代替策を用意できるのか。

 (4)指揮官のスタイル構築から今季で3年目になり、「勝負の年」。結果が出ない場合、焦りから負のスパイラルになりやするまいかという危険性。

 

 

 実は、今冬の移籍市場で、自分が最も高く評価しているチームの一つが、大宮なんですよ。

 ラファエルのパートナー的存在に曹永哲。ゲームメイカーとしてカルリーニョス。左サイド強化に下平。守備力向上として菊地光。

 やや右サイドが弱いのではないか、という声も散見されますが、補強自体は、ピンポイントの補強で、理にかなっているように映る訳です。

 

 特に、指揮官戦術を熟知する曹永哲は勿論、カルリーニョスの獲得は、今冬の移籍市場の中でも、大きな話題でしょう。

 ブラジルの名門、サンパウロで、直近の2シーズン、第2ボランチのレギュラー。

 欧州や中東等との争奪戦の末、Jにきてくれたこと。

 これだけでも、大きな期待感を覚えます。

 

 CH、OH、左サイドに対応可能と伺い、長短のパスセンスが持ち味とのこと。

 個人能力の高さが評判通りならば、できるだけ高い位置で起用した方が、「違い」を活かせる感じがすると思うんですよね。上記の布陣図でOHに置いたのは、できるだけ攻撃に専念させる意図は勿論、上田との共存で、ボール支配力を向上させる意図もあります。

 あるいは、左の下平は、攻守のバランスに優れますから、右に超攻撃的な「サイドのマルチロール」、渡邉大を置けば、崩しの引き出しが向上し得るのでは、と考える訳です。

 そして、勝負どころになればなるほど真価を発揮するラファエルの存在も、大きな強みでしょう。

 

 これは自分の想像になるのですが、今冬の大宮は、昨季の柏にヒントを得たのではないか、と思う訳です。

 というのも、昨季の柏は、「分厚い選手層」「家庭的な結束力」をもっていた。選手層や家庭的結束力は、大宮の持ち味でもあります。

 それに加えて、恐らくですが、「攻撃面における外国人の個人能力」という意味で、柏からヒントを得たように思うのです。現に、柏の躍進は、良くも悪くも、レアンドロ、J・ワグネルの個人能力(そして2人の共存の成功)に少なからず依拠していますから。

 

 その意味で、カルリーニョスの存在は、はまれば大きな強みになる一方で、その個人能力への依拠増大のリスクは勿論、もしも額面倒れになれば、そのダメージの甚大性をも考慮すると、期待感と危うさの両面を内包するように思うんですよね。

 それに、例えば昨季の渡邉大がそうだったのですが、どうも大宮には、「遠慮しがち」な傾向が散見される。失敗を恐れずもっとガンガン行けばよいのに、みたいな。それが、これまで「移籍市場では的確に振る舞えても、ピッチ上では消化不良に終わる」ことを繰り返してきたように思う訳です。

 

 ただ、逆にいえば、メンタル面を向上させられれば、チーム力を向上させ得ることになると思いますし、個人的には、鈴木監督の、「ピッチを大きく使いながらつなぐサッカー」という方向性は、決して間違っていないと思うんですよ。

 

 その意味で、今季の大宮は、下記のことを、強く抱く訳です。

 

 「補強自体は的確であるし、志向するサッカースタイルの方向性も間違っていない。一つの目安として、『勝ち点55』は、現実的な目標といってよい。

 ただ、だからこそ、『自分たちを信じる』心をどれほど持てるのか、そして、手持ちの選手の組み合わせの機能性をどれほど高め得るかが鍵を握る。

 特にカルリーニョスの存在は、諸刃の剣といえる。個人的には、上田と共存できる起用法をして欲しいと強く願うのだが。」

 

 

 (図解7)愛球人が考える、2012年清水理想布陣。

 システム(4-3-3)

 監督(ゴトビ)

 

                     新外国人?

                    (高原、伊藤翔)

 高木俊                                      大前

(樋口)                                  (河井、白崎)

             アレックス            小野

            (小林大)            (枝村、八反田)

                     ヨンアピン

                     (杉山)

 李記帝         岩下               平岡          吉田豊

(犬飼)        (姜成浩)            (村松)        (辻尾)

                     山本海

                    (林彰)

 

 

 (図解7B)愛球人が考える、2012年清水の持ち味と不安要素。

 

 [持ち味]

 (1)志向するサッカースタイルに可能性を感じること(特に強い攻撃性、仕掛けやトライアングルの意識)。流動性も昨季後半以後、徐々にだが向上してきた。

 (2)小野、高原、小林大等、経験豊富な選手の存在。「勝利のメンタリティー」において有益な存在である。

 (3)有望な若手を多く擁すること。特に攻撃陣は、大前、高木俊、伊藤翔、樋口、河井、枝村、八反田、白崎等、タレントぞろいである。

 (4)アンカーのヨンアピンの存在。運動量、ボール奪取力、読みの鋭さ、組み立て能力等、攻守両面で「違い」になり得る。

 (5)特に攻撃陣の分厚い選手層。戦況や手持ちの選手の調子に応じて、起用法に幅を持たせ得ることができる。

 

[不安要素]

 (1)選手構成のアンバランス性。攻撃陣の選手層はJでも有数の水準にあるが、守備陣の選手層は若干の不安感が否めない。アンカーのヨンアピンへの依存度をいかにして軽減し得るか。

 (2)小野、ヨンアピン等、軸となる特定選手の不在時のリスクマネジメント。守備陣の選手層の薄さを考慮すると、例えば、「3-3-1-3」や「4-2-1-3」等との併用があってしかるべきではないか。

 (3)結果が出ないときに、どれほど「自分たちのサッカー」を信じることができるか。特に小野が「精神的支柱」としてどれほどチームを鼓舞できるか(それ自体はできると信じているが、小野の故障リスクへの対応策が課題として残る)。

 (4)有望な若手を多く擁するが、大前、高木俊、吉田豊等、複数選手に五輪出場の可能性がある。その際の代替策をどうするのか(特に吉田豊不在時の守備陣の編成をどうするのか)。

 

 

 個人的に、昨季以後、清水のサッカーには、強い期待感を抱いています。

 「こういうサッカーを観たいんだ」と強く感じさせてくれるチームだと思うんですよね。

 とりわけ、自分は、「フィンケ政権時代の浦和」に、強い期待感を抱き(そして、方向性としては強く共感していただけに)、そして志半ばで挫折しただけに、なおさら、「ゴトビスタイル」の完成形をJで観たい、と強く願っているのです。

 

 確かにユングベリの退団は、ある程度のダメージは否めませんが、攻撃陣はタレントぞろいですし、大卒新人の河井、八反田、高卒2年目の樋口も、レギュラー陣に割って入り得る可能性を秘めると伺います(特に河井は定位置を手中にしても決して不思議ではないと思っている)。

 やろうとしているサッカーには、強い可能性を覚える。まだ好不調の波が拭えませんが、今季はまだ、ゴトビ政権の2年目ですので、「内容重視」に徹して然るべきと思うんですよね。

 あえて不安を挙げれば守備陣でしょう。やや層の薄さを感じますので。

 で、攻撃陣の層が分厚いことをも考慮すれば、例えば、「3-3-1-3」として、(3バック:右から、吉田豊、岩下、平岡[村松]、アンカー:ヨンアピン、SH:枝村[小林大]、アレックス[河井]、OH:小野、WG:大前[伊藤翔]、高木俊[樋口]、CF:新外国人?[高原])という方法もあってよいと思うんですよね。「できるだけ攻撃に人数を掛ける」ことをより徹底する意味でも。

 

 いずれにせよ、今季の清水は、下記のことを、強く抱く訳です。

 

 「『石の上にも3年』『ホップ、ステップ、ジャンプ』という言葉があるが、今季はゴトビ政権のあくまでも2年目に過ぎない。志向するサッカースタイルには強い可能性を感じるだけに、今季は、あくまでも『内容重視』に徹することが大切かと。

 勿論、例えばJ2降格が現実性を帯びれば、話は別かもしれないが、よほどのことがない限り、今季及び来季は、安直な指揮官解任論は叫ぶべきではないと強く考える。勝負の年は、3年目、つまり、2013年シーズンと位置付けるべきであろう。

 手持ちの選手、特に攻撃陣はタレントぞろいで層が分厚い。それを考慮すれば、例えば『3-3-1-3』へのチャレンジが大いにあってしかるべきではないか。

 幸い、大前、高木俊をはじめ、有望な若手、中堅を多く擁しているので、それを通して底上げができれば、中長期的に楽しみなチームを生み出せる可能性を感じるので、大きな期待感を抱くのだが。

 一つの目安として、今季は『勝ち点55』に到達できれば及第点かと。ただ、結果を焦らず、地道に土台を積み上げることに専念して欲しいと強く願う。」

 

 

 (図解8)愛球人が考える、2012年神戸理想布陣。

 システム(4-4-2)

 監督(和田昌浩)

 

             大久保              田代

            (吉田孝、茂木)         (都倉)

 小川                                      野沢

(森岡)                                    (奥井)

             橋本英              伊野波

            (三原)             (田中英)

 相馬          高木和              北本         朴康造

(林圭)        (河本)             (羽田)       (近藤岳)

                     徳重

                    (植草)

 

 

 (図解8B)愛球人が考える、2012年神戸の持ち味と不安要素。

 

 [持ち味]

 (1)経験豊富な選手を多く獲得したことで(特に、野沢、橋本英)、「勝利のメンタリティー」を浸透させる可能性を秘める。それがチーム力向上に直結し得るかと。

 (2)事実上の純国産(朴康造も日本で生まれ育っていると伺うので)。その意味でも、家庭的な結束力を高め得ると思うし、特定選手への依存度を増大させにくいサッカースタイルを具現化し得るので、中長期的にプラスかと。

 (3)選手層がそれなりに揃っていること。また、大久保、野沢、伊野波、北本と、各ポジションに「軸」を擁していることも、強みといってよい。

 

[不安要素]

 (1)全体的にベテラン選手への依存度が大きい。特に運動量勝負に持ち込まれたとき、どれほど対応できるのか。シーズン終盤でのガス欠感への不安リスクもある。

 (2)軸となる選手に故障リスクが否めないこと(大久保、橋本英、野沢等)。選手層がそれなりに厚いとはいえ、不在時のリスクマネジメントをどうするのか。その意味でも、若い選手の底上げが大切になってくる。

 (3)(1)(2)にも関係するが、例えば、左MFを競うであろう小川、盛岡、左SBの林圭、CHの三原がどれほど成長し得るかに掛かってくるかと。それができれば、チーム力向上に直結し得ると思うが。

 

 

 今冬の移籍市場で、高く評価されているのが、神戸です。

 自分も、神戸の今季にかける「本気度」を強く感じますし、一人の関西人としても、強く期待しております。

 

 恐らく、期待感の最大の要素は、「勝利のメンタリティー」でしょう。

 実質的な純国産であることも、期待感を強める一つの要素になっているかな、と思います。

 

 では、今季の神戸は、下記のことを、強く抱く訳です。

 

 「選手の質も量も、全体的に大きく向上させた感じがあり、『勝ち点55』クラスは充分見込み得る陣容である。ただ、良くも悪くも、ベテラン重視の陣容に映ることが、リスク誘因にもなり得る。

 『勝利のメンタリティー』を浸透させる強い意志が伝わってくることは好感であるが、今季は、『支配力を高める』ことに最大の重きを置いた方がよいのではないか。」

 

 

 (図解9)愛球人が考える、2012年C大阪理想布陣。

 システム(4-2-3-1)

 監督(セルジオ・ソアレス)

 

                     ケンぺス

                    (杉本、播戸)

 柿谷                  ブランキーニョ              清武

(永井龍)               (吉野)                (村田和)

             金甫昊              扇原

            (山口蛍)            (船津、黒木聖)

 丸橋          藤本康              茂庭          酒本

(児玉)        (山下達)            (横山)       (高橋大)

                     金鎮鉉

                    (松井謙)

 

 

  (図解9B)愛球人が考える、2012年神戸の持ち味と不安要素。

 

 [持ち味]

 (1)クルピ政権時代での「強い攻撃性」という土台があり、その上でさらなる強い攻撃性を志向することを掲げていることへの期待感。選手層もそれなりに揃っている。

 (2)有望な若手を多く擁すること。清武、柿谷、扇原、丸橋、等々、さらなる伸びしろを感じさせる。若手の成長とチーム力向上が直結しやすいことは大きなプラス。

 (3)指揮官戦術を知るブランキーニョの存在。また、GKの金鎮鉉の存在も、強みといえるだろう。

 

[不安要素]

 (1)若い選手主体であるが故の好不調の波の激しさ。また、ロンドン五輪に恐らく複数選手が選出される可能性が大きく(金甫昊、清武、柿谷、扇原、丸橋、等々)、そのときの代替策をどうするのか。

 (2)結果が出ないときに、どれほど「自分たちのサッカー」を信じることができるか。

 

 

 やはり、一人の関西在住のサッカーファン、ということにおいては、C大阪も、注目感を抱きます。

 特に、新指揮官のS・ソアレスは、かつて京都でもプレーしており(短期間ではあったが)、Jのサッカーも認識している。強い攻撃志向を、ブラジル時代でもピッチ上で表現していると伺うし、クルピ政権で培った土台も、強みといえるでしょう。

 

 清武、金甫昊が、今夏に国外移籍するのではないか云々がいわれますが、自分はそれ自体については、さほど悲観していません。確かにある程度のダメージは否めませんが、柿谷の徳島時代での成長ぶりを考慮すれば、という思いがあるのです。

 むしろ不安要素は五輪開催期間中でしょう。複数の選手が五輪で抜ける可能性が高い。そのときをどう乗り切るかの方が重要になってくるのではないか、と思うのです。

 

 実は、これはどうしてもある種の感情論になってしまうのですが、自分にとって、柿谷は、ジュニアユース時代から期待、注目し続けてきた、超がいくつも付くほどの、「特別な思い入れ」の強い選手なんですよね。だから、どうしても期待感は他の選手以上のものになってしまう。

 徳島で、持ち味の創造性や仕掛けのみならず、献身性や運動量、守備意識を大きく向上させ、課題のメンタル面も、芯の強い選手になってきたかな、と感じる訳です。ややフィニッシュに課題を残しますが、それでも大きな成長を遂げていると強く感じる。贔屓目抜きにしても、ロンドン五輪に到達しても何ら不思議ではない、と思っている訳です。

 

 特に攻撃陣に有能なタレントを多く擁しているので、手持ちの選手(特にMF陣)をどのように組み合わせるのか(特に、金甫昊をCHか2列目かいずれで起用するのか)、それが一つの鍵になると思っている訳です。

 仮に、清武、金甫昊が今夏に退団する場合は、3つの方法があると思う訳です。

 

 (1)「4-4-2」(2トップ:ケンぺス、杉本。2列目:ブランキーニョ、柿谷。2CH:扇原、山口蛍)。

 (2)「4-2-3-1」(FW:ケンぺス。2列目(右から):永井龍、ブランキーニョ、柿谷。2CH:扇原、山口蛍)。

 (3)「4-1-3-2」(2トップ:ケンぺス、杉本。2列目(右から):永井龍、ブランキーニョ、柿谷。CH:扇原)。

 

 むしろ問題は、五輪開催期間中と思っているのです。攻撃陣だけでも、清武、金甫昊、柿谷、扇原の五輪出場の可能性、と考慮しての代替策を、下記に示してみたいと思います。

 

 「4-1-3-2」(2トップ:ケンぺス、杉本。2列目(右から):吉野[村田和]、ブランキーニョ、永井龍。CH:山口蛍)。

 

 いずれにせよ、今季のC大阪は、下記のことを、強く抱く訳です。

 

 「強い攻撃志向、そして、有望な若手を多く擁することをも考慮すると、強い期待感を抱く。しかし、五輪期間中をはじめ、軸となる選手を書くときの代替策をどうするのか。

 『石の上にも3年』『ホップ、ステップ、ジャンプ』という言葉があるが、今季はソアレス政権のあくまでも1年目に過ぎない。志向するサッカースタイルには強い可能性を感じるだけに、今季及び来季は、あくまでも『内容重視』に徹することが大切かと。

 勿論、例えばJ2降格が現実性を帯びれば、話は別かもしれないが、よほどのことがない限り、今季及び来季は、安直な指揮官解任論は叫ぶべきではないと強く考える。勝負の年は、3年目、つまり、2014年シーズンと位置付けるべきであろう。

 一つの目安として、今季は『勝ち点50』に到達できれば及第点かと。ただ、結果を焦らず、地道に土台を積み上げることに専念して欲しいと強く願う。」

 

 

 他にも、いくつかのチームについて、少しだけ言及したいと思います。

 布陣図を用いないことを、そして、いくつか言及しないチームがあることを、何卒御理解頂けると有難く思います。

 

 まず、鹿島ですが、伝統の「4-4-2」が、良くも悪くも「金科玉条」の感じになり過ぎていたように、自分は映る訳です。

 新指揮官のジョルジーニョは、「4-3-1-2」の導入に着手か、と伺いますが、むしろ現有戦力に照らせば、「4-3-3」の方が的確ではないか、と思う訳です。

 そうすると、3MFは、「柴崎、増田、小笠原」で対応できますし、3トップは、CF大迫、左に興梠(ジュニーニョ)、右に遠藤康(アレックス、佐々木)という感じで、しっくりいくように思う訳です。

 いずれにせよ、今季の鹿島は、「再建モード」感が強いので、結果ではなくて、スタイルをいかにして「深化」と「修正」を両立させるのか、それに徹することが大切であるように思います。

 

 次に、横浜FM。俊輔、中澤佑という「攻守の軸」の存在、そして、伝統の「堅守」という強みを感じます。

 ですが、その一方で、守→攻への切り替え、そして世代交代が、長年の課題になりつつあるとも思う訳です。

 地力ならば、ACLに手が届き得るとは思います。ただ、特に俊輔不在時の攻撃をどうするのか。

 個人的には、例えば、小野裕、斎藤学の「スモール2トップ」にして、縦への速さをより前面に押し出す、そして俊輔の位置に、よりスピードに優れる森谷、松本玲あたりを起用して、ピッチを大きく使う意識を押し出すことに活路を求めてもよいのでは、と思います。狩野の完全復調も、大きな鍵を握る要素になるでしょう。

 

 そして、仙台。昨季は「気持ちで勝った」感じが伝わってきて、「全員攻撃全員守備」の浸透が伝わってきた感じですが、特に守備陣にやや層の薄さを感じます。

 「4-4-2」を主体にしてきましたが、新外国人のウィルソン、サッコー二の特性をも考慮すると、「4-3-3」を導入して、3MFを「角田、サッコーニ、梁勇基」、3トップを、CFウィルソン、左に赤嶺、右に関口(松下、太田吉)にする方が、しっくりいくと思いますし、攻撃意識の向上になり得るのでは、と考える訳です。

 「勝ち点55」クラスが一つの目安になるように思いますが、背負うものが大きくてプレッシャーが強いかもしれませんが、「鉄の如き結束力」で、ACL出場権を叶えて欲しい、と自分は強く希求する次第です。

 

 

 長文、駄文、とても申し訳ございません。

 未熟な自分で申し訳ないですが、今後とも何卒よろしく御願い申し上げます。