「2012年J1序盤戦、ガンバ大阪の崩壊及び再建における一考察(その1)。」

 こんにちは。愛球人と申します。

 

 「愛球人ホームページ。」、第13回のブログエントリーの論題は、「2012年J1序盤戦、ガンバ大阪の崩壊及び再建における一考察。」です。

 

 実質的には、ブログエントリーの本論の12回目になります。そして、サッカーブログエントリーの4回目になります。

 今回は、掲示版とのコラボエントリーの3回目、という位置付けです。今回は、「議論するエントリー」と「感じることを伝えながら読者と意見交換をもしたいエントリー」の中間型という位置付けになるかなと思います。

 今回は、とても長い文章になるので、(その1)(その2)(その3)(その4)に分割して執筆させて頂きます。

 

 ブログ本体については、コメント欄は設けません。その一方で、読者との議論、意見交換的な意味付けとして、掲示板にてコメント欄を設けさせて頂く感じです。

 私のHPにおけるブログは、過激な内容がどうしても多くなることかと思いますが、今回は、とりわけ過激になってしまうかな、と正直感じております。読者の中には、私の考えに共感できない、と考える人間も少なからずいるかなと思いますが、こういう考えもあるんだ、と解釈して御拝読して頂けると、とても有難く思います。

 

 では、今回のエントリーにおける考察を始めます。

 

 

 現在、自分は、一人の人間、一人の若い世代として、今後の進路を考える上でも(どのような人間になりたい、ということの大枠は描けるようになっているが)、復興支援活動への参加を通して(ただしこの復興支援も、勿論社会人に再びなるときでも、継続的に中長期的に息長く携わる使命が自分にはある、と強く思っている。というか、何らかの形で、復興支援及び社会貢献に深く携わる道に進みたいと強く希求している)、自分なりにこの半年間で学んだことをじっくりと整理し直す時間にできるだけ充てたい。

 そして、今年の「3・11」は福島に伺い、福島で感じたことを、先日(3月13日)、ブログエントリーとして執筆しましたが、次のブログエントリーは、少しでも前を向く話題を書きたいなあ、と思っていたのです。

 

 率直に述べれば、今回、このタイミングで、ガンバ大阪の崩壊云々という、重苦しい内容のブログエントリーを、正直書きたくはありませんでした。

 ですが、一人の人間、というか、一人のサッカーファンとして、今回のガンバ大阪の惨状(論題にもあるが、はっきりいって「崩壊」であると思っている)は、「どうしても我慢できない」。

 

 そう。「我慢」。

 これは、例えば、浦和のフィンケ政権時代に、しばしばクローズアップされた言葉です。

 鹿島のオリヴェイラ政権時代の初期もそうですし、浦和のミシャ政権(つまり、現在)にもいえることでしょう。あるいは、清水のゴトビ政権も然りであると思います。

 

 何故G大阪は崩壊したのか。どこでG大阪は道を踏み外したのか。どうすればG大阪は再建できるのか、いや、G大阪の再建のために何が必要なのか。

 そういうことを考察することが、今回のブログエントリーの目的としてありますが、正直、今回のG大阪の崩壊劇は、「かなりやばい」状況にある、と自分は思っているのです。

 

 

 では、まず、冒頭に、3月5日のブログエントリー「2012年Jリーグ1部、自分なりの開幕直前考察(その2)。」にて、G大阪について展望した部分があるので、それを引用することから、今回の考察を始めたいと思います。

 

 

 『(図解1)愛球人が考える、2012年G大阪理想布陣。

 システム(4-3-3)

 監督(セホーン)

 

                     ラフィーニャ

                    (佐藤晃)

 パウリーニョ                                  李昇烈

(大塚、星原)                             (佐々木、阿部浩)

             二川               遠藤

            (寺田紳)            (倉田、横谷)

                     武井

                    (明神)

 藤春          今野               丹羽          加地

(沼田)        (金正也、内田達)        (中澤聡)   (エドゥワルド)

                     藤ヶ谷

                    (木村敦)

 

 

 では、G大阪の考察です。

 

 

 (図解1B)愛球人が考える、2012年G大阪の持ち味と不安要素。

 

 [持ち味]

 (1)ACLの常連。「勝利のメンタリティー」。それを支える経験豊富な選手の存在(遠藤、二川、加地、明神等)。

 (2)10シーズンに及ぶ西野朗政権で培った「自分たちのスタイル」。

 (3)個人能力の高い外国人3トップ。そして絶対的司令塔、遠藤の存在。守備の軸としての今野の存在もプラス。

 (4)有望な若手、中堅を多く擁すること。はまれば戦力値向上に直結し得る。

 

[不安要素]

 (1)西野朗政権時代の10年間(特に、「黄金のMF」主体のスタイルの06年からの6年間)で培ったスタイルの修正方法次第での崩壊の危険性。特に、西野朗監督や、橋本英、山口智という「功労者」との別れ方にしこりがあるだけに、尾を引きやしないか。

 (2)有望な若手を多く擁する一方で(そして、J有数の育成組織を擁する一方で)、西野朗政権時代では、それをあまり活かせずにいた。特に、外国人がFWに集中していることが、不協和音の引き金にならないかという不安。

 (3)右SBの控えが事実上不在(エドゥワルド、沼田は左利き。特にエドゥワルドは調整遅れが漏れ伝わっているが)。また、MF陣でも、特に明神は年齢的な不安があるだけに(それを補って余りある強靭な精神力の持ち主でもあるが)、あまり酷使し過ぎると、という不安がある。

 (4)上記のことと関係するが、若手、中堅の底上げ(特に、例えばMFならば倉田、寺田紳)。そして、ターンオーバーの機能性向上、そして複数の布陣の使い分けがどれほどできるか(特にCB陣は5人共にそれなりの能力があるだけに、例えば3バックとの併用も面白いと思うのだが)。

 

 

 個人的に、G大阪は、関西在住でもあることから、ずっと注目し続けております。

 特に、06年からの「黄金のMF」(遠藤、二川、橋本英、明神)を前面に押し出すポゼッションスタイルは、自分も高く評価してきました(チームマネジメントはともかく、志向する方向性には強い共感を抱いた)。

 

 純粋な戦力値だけならば、「ACLトロフィー」を叶えても、何ら不思議ではない、と思っています。

 ですが、今季の自分のG大阪に対する見解。

 

 

 「築き上げた『自分たちのサッカースタイル』の『深化的継承』が求められる一方で、守備面を中心に、確かにある程度の修正は必要かもしれない。しかし、最大の強みである『強い攻撃志向』『アクションスタイル』の放棄は絶対にあってはならない。そして、若手、中堅の積極的起用なくして、チーム力の向上は難しい。

 外国人にFWが集中していること、戦力構成の偏り(特に右SB)、世代交代の方法論、等々、リスク要因を少なからず内包しているだけに、ACLトロフィーも、あるいは昨季の浦和のような崩壊も、両極端起こり得る。」

 

 

 例えば、今野の獲得。確かに、今野は、日本有数のCBであることに異論は恐らくほとんどないでしょうし、自分もそう感じます。「サッカーIQ」の高さも、特筆に値するでしょう。

 ですから、「守備の軸」としての今野の獲得は、中長期的スパンでは、なるほどと思う。

 ただ、このポジション、もともと下部組織上がりの有望株、内田達がいます。統率力や組み立て能力には、強い可能性を感じてきた。ですが、今野の入団で、少なくともCBとしては、3バック採用時等でない限り、厳しいと考えざるを得ないでしょう。

 (ちなみに自分がGMならば、確かにCB獲得は納得だが、自分ならば金英権[大宮]を狙う。組み立て、統率力、強さ、読みを兼備するからである。そして右SBも、「サイドのマルチロール」、渡邉大[大宮]を狙う。あくまでも自分ならば、であるが。)

 

 あるいは、外国人FWが3人もいること。今冬、平井が(レンタルとはいえ)退団しましたし、大塚、星原という有望株がいるにもかかわらず(そして故障で長欠確定とはいえ、川西も有望な存在)、ターンオーバーでない限り、少なくともFWの一角での起用は厳しい感じです(尤も、星原については、「4-4-2」のサイドハーフのオプションという方法もあってよいと思うが)。

 

 「ポジションは自分でつかむべきものである。」

 確かにこれは一つの真理であると思いますし、「与えられる」意識ではなくて、「絶対につかんでみせるんだ」という、主体的な意識があってこそできる、と強く思います。

 ですが、どうして、下部組織上がりの有望な選手のいるポジションばかり、実績充分の選手を獲得するのか、という感じもするのです。

 

 杞憂に終わるに越したことはない。戦力値だけならば、名古屋に匹敵しますし、選手層ならば、むしろ上回るかもと思っています。

 ですが、自分は、どうも今季のG大阪は、「08年の浦和」と同じような「におい」を感じるんですよ。

 

 

 気に掛かっているのは、橋本英が、退団時にこぼした言葉です。

 

 「僕は幸い、ずっと西野さんに起用してもらっていたけど、評価面でも、起用法でも、特に下部組織上がりの有望な選手がないがしろにされている感じであることに、ずっと違和感を抱いてきた。」

 

 評価面のことは、正直わかりません。ですが、少なくとも、起用法という意味で、例えば家長、寺田紳、倉田をはじめ、もっと出場機会を充分に与えることができないか、という思いは、強く抱いていました(だから、寺田紳、倉田には、今季、少なくとも25試合クラスの出場機会をつかんで欲しい、そして定位置へ、と強く願っています)。

 

 08年の浦和。前年にACL優勝。しかし、当時のオジェック監督と一部選手(ワシントン、小野、闘莉王等)の確執がいわれており、しかも、ACL優勝に大きく貢献した永井のポジションに、エジミウソン、高原の2人を獲得しました。これが崩壊の引き金になった、と自分は思っています(少なくとも、高原獲得で永井のプライドを少なからず傷つけたことは否めないと思っています)。

 そしてあのときの浦和。若手にまともに出場機会が与えられなかった(いまではアウクスブルク[独]で定位置の細貝も、当時は08年半ばにようやく定位置を手中にした感じだった。07年はターンオーバー要員になっているかさえ微妙だった)。

 

 似たようなにおいを感じる、というのは、例えば、呂比須HCが『影の指揮官』として振る舞うのではないかということが公然といわれていること。

 そして、何よりも、西野朗監督、橋本英、山口智という「大功労者」を、追放同然で放出したことにあります(確かにいつかは別れが来るが、「別れ方」というものがあるはず。感情論になるが、納得できなかった)。

 例えば、西野朗監督ならば、「勇退」という感じに持って行けなかったのか。「黄金のMF」をはじめ、慕う選手は多かったはずです。

 そして、橋本英。現在のG大阪があるのも、現在の遠藤がいるのも、橋本英の卓越する「サッカーIQ」があってこそです。ましてや下部組織上がりの「バンディエラ」であるはず。

 そのような「大功労者」に対して、戦力外通告。激しい憤慨と失望を禁じ得ませんでした。

 

 確かに世代交代は待ったなしでしょう。だからといって、「バンディエラ」になり得る選手(黄金のMF、加地、山口智)は、よほどのことがない限り、「G大阪で引退させる」配慮があってしかるべきではなかったか。放出する必要性はなかったのではないか、と強く感じるのは、自分だけでしょうか?

 

 ですから、今季のG大阪については、自分は、下記のことを、強く抱く訳です。

 

 「ACLトロフィーを叶え得る陣容ではあると思うが、その一方で、崩壊リスクを少なからずはらんでいるとも感じる。その一方で、若手、中堅の底上げに成功できれば、さらなる飛躍も見込み得るが。

 ACLは、8強以上は絶対に叶えて欲しい。Jの優勝争いも充分に可能ではあるだろう。しかし、ACLの16強敗退、あるいは、Jでの勝ち点50台前半での失速も、充分に起こり得る。」』

 

 

 今回の考察は、これがたたき台になります。

 どうしても、考察がとても長くなるかな、と感じますので、(その2)(その3)(その4)にて、続きを執筆させて頂きたい、と強く考えております。

 

 (その2)では、G大阪の崩壊の過程についての考察を主体に記します。

 (その3)(その4)では、G大阪の再建の自分なりの処方箋の考察を主体に記します。

 

 いずれにせよ、今回のブログエントリーは、いつも以上に、主観全開の考察になるであろうことを、何卒御理解頂けると、とても有難く思います。

 

 

 という訳で、長い文章になりますので、続きを(その2)にて記します。

 何卒、最後まで御拝読して頂けると、とても有難く思います。

 

 よろしく御願い申し上げます。