「2012年春、高校野球選抜大会総括における一考察。」

 こんにちは。愛球人と申します。

 

 「愛球人ホームページ。」、第15回のブログエントリーの論題は、「2012年春、高校野球選抜大会総括における一考察。」です。

 

 実質的には、ブログエントリーの本論の14回目になります。 そして、高校野球ブログエントリーの1回目になります。

 今回の位置付けは、「感じること、伝えたいことを読み物的に書き綴るエントリー」ですので、コメント欄はないことを、御理解頂けると、とても有難く思います。

 また、私のHPにおけるブログは、過激な内容がどうしても多くなることかと思いますが、今回は、とりわけ過激になってしまうかな、と正直感じております。読者の中には、私の考えに共感できない、と考える人間も少なからずいるかなと思いますが、こういう考えもあるんだ、と解釈して御拝読して頂けると、とても有難く思います。

 

 現在の仕様では、ブログの閲読が見づらいと思う読者も、いらっしゃるかもしれません。

 ですので、HPの「トップページ」の下部に、「サイトマップ」がございますので、そこをクリックしますと、「サイトマップ」の半ば部分から下のところに、「ブログ」、つまり、「ブログエントリー一覧」がございます。

 で、それぞれのエントリーの論題の部分をクリックしますと、それぞれのブログエントリーが閲読しやすい感じになるかな、と思います。

 

 とりわけ、今回のブログエントリーは、「感じることをありのままに綴る」、いわば、ある種情緒的な感じの文章になるかもしれません。過激、あるいは感傷的な表現が少なからずあることを、何卒御理解頂けると、とても有難く思います。

 

 では、今回のエントリーにおける考察を始めます。

 

 

 自分は、「サッカーファン」であることと共に、熱狂的な「高校野球ファン」でもあります。

 いやむしろ、あらゆるスポーツの中でも、「高校野球」は、自分にとって、「最も大好きなスポーツ」と言い切っても過言ではないでしょう。

 

 理由は正直、いくつも挙げ得るでしょう。ですが、とりわけ、自分が高校野球をこよなく愛してならない理由は、下記のことであるように思うのです。

 

 

 「高校球児、応援する高校生、そして監督やマネージャーをも含めた、『一途さ』『ひたむきさ』『一生懸命さ』『全力姿勢』に強く感動できるから。」 

 

 

 この思いを、正直強く抱く訳です。

 勿論、時として、唖然としてしまいそうなプレーがあったりもしますし、つまらない試合が、全くない訳ではありません。

 ですが、たとえ内容的に惨敗であるチームでも、応援したい、また是非観たい、そして素敵な人生の実現のための有意義な経験であって欲しい、と、どのような高校球児であれ、素直に応援したい、と強く抱く訳です。

 

 自分は、例えば、近年だけでも、08年、10年、11年の、選手権大会の決勝戦を生観戦していますが、生観戦は、言葉ではうまくいえないくらいの独特の感動を味わえるのです。そしてそれが自分自身のエネルギーにもなり得る、という感じがするんですよね。

 

 という訳で、今回は、2012年春、高校野球の選抜大会を、自分なりに総括する意味での考察をしてみたいと思います。

 

 

 (1)総論的考察。

 

 いわゆる「統一球」が導入されて2年目。確かに、総じて「ディフェンシブ(守備的)」な試合が多い印象を覚えましたが(31試合中、10得点以上で勝利した試合はわずか2試合、4得点以下で勝利した試合が11試合)、本塁打数が19本ということをも考えると、統一球を打つ技術を持っている人間は持っているのかな、という感じも正直抱きます。

 ただ、総じて印象的なのが、「守備力の向上」です。

 8強に進出した鳴門をはじめ、石巻工、早鞆、女満別、宮崎西、等々、いわゆる「進学校(文武両道の学校)」「公立高校」「地方の学校」でも、守備力では、名門校、強豪校と対等、いやそれ以上のレベルになれるんだ、ということです。

 

 この守備力の向上は、名門校にもいえることです。

 優勝の大阪桐蔭、準優勝の光星学院は勿論、4強の関東一、8強の横浜、そして特に印象的であったのが、組合せの不運もあって、16強で敗退した九州学院です。

 結果こそ16強でしたが、遊撃手の溝脇を軸とする、内外野の守備は、まさしく「鉄壁」でした。

 (女満別戦では4本、大阪桐蔭戦では7本もの、安打性の打球をアウトにした。故に女満別の完封負けは、とても可哀想としか言いようがない[波の守備力が相手ならば、女満別は3点は取れていたでしょう。])

 

 あるいは機動力。特に健大高崎の4強進出は、絶対的な「個」がいなくとも、卓越する持ち味を身に付ければ、甲子園の大舞台でも高いレベルで通用することを証明したといえますし、全国の高校球児を勇気づけたといえるでしょう。「一つでも先の塁を貪欲に狙う姿勢」は、観ていてとても清々しかったですし、サッカーでいう「ゴールに向かうプレー」、バスケットボールでいう「リングに向かうプレー」に相通ずる感じがして、自分も学ぶことがありました。

 

 「個」の力がなくとも、甲子園の大舞台で高いレベルで通用し得る意味では、8強入りした鳴門も然りです。

 2試合連続の延長サヨナラ勝ちがクローズアップされますが、「最後の最後まで諦めない姿勢」が、一球への執念としてあらゆるプレーに凝縮されていたことは勿論(打撃のみならず守備でも)、応援団の一体的な感じも、とても好感を覚えます。

 

 「個」の存在が、あまり多かったわけではないですが、特に「守備からリズムをつくる」野球の醍醐味を学ばせてくれる、それが、今春の選抜大会の総括としての特筆すべき要素である、と自分は考えます。

 

 

 (2)大阪桐蔭の優勝。

 

 大阪桐蔭の優勝は、自分自身、関西で生まれ育っていることもあり、なおさら嬉しい感じを抱きます。

 優勝の要因は、勿論、「エースである藤浪の卓越する個人能力と度胸の凄味」であることは大きいと思いますが、「打線の結束力」、そして「指揮官のモチベーターぶり」も、特筆に値するでしょう。

 西谷監督は、必ずしも「戦術家」という訳ではないと思います。ただ、選手のやる気を引き出す術は、絶妙のものがあるなあ、と。

 伝令のタイミング然り、選手を信じる姿勢然り。

 特に、決勝で活躍した小池。絶対的大砲である田端の負傷で、2回戦(九州学院戦)から4番に座りました。

 なかなか結果が出なかった。でも、辛抱強く4番で使い続けた。

 そしてその結晶が、決勝での大活躍(先制2ラン等)。これは、正直、なかなかまねできないでしょう。素直に頭が下がります。

 

 「打線の結束力」も特筆です。「フルスイング」なんだけど、決して「大振り」ではない。

 そして、「つなぐ姿勢」が伝わってくるんですよね。それも勝因かな、と。

 「仲間を信じる姿勢」。この大切さを、強く感じます。

 

 そして、大阪桐蔭のチアリーダー(ピンクの服)、特に新高3は、今回の選抜大会で、チアリーダーを引退します。理由は、大学受験の受験勉強に専念するためです。

 (大阪桐蔭は、近年、学びの意味でも、急速に偏差値や進学実績を向上させている。「国公立」や「関関同立」に多くの合格者を輩出している。)

 本当はもっとチアリーダーをやりたかったでしょう。ですが、いやだからこそ、選抜大会優勝という最高の結果で、そして最高の大舞台を経験できて、とても嬉しく思います。

 

 「おめでとう。そして、この有意義な経験を生かして、大きな志や目標に向かって生きて欲しい。」

 この思いを、強く抱きます。

 

 嬉しいですから、大阪桐蔭のチアリーダーの画像を、リンクを張らせて頂きます(朝日新聞のHPより)。

 

 大阪桐蔭のチアリーダーの画像。

 http://www2.asahi.com/koshien/localnews/OSK201204030043.html

 http://www2.asahi.com/koshien/gallery_e/view_photo_feat.html?localnews-pg/OSK201204030045.jpg

 

 

 (3)光星学院の今夏への課題。

 

 結論的に述べれば、「今夏こそ、東北勢が『深紅の大優勝旗』を絶対に叶えて欲しい!」という思いです。

 

 このことを叶え得る最有力候補が、昨夏から、光星学院(青森)であると思いますし、昨夏、今春と、2期連続準優勝ですが、昨夏よりも今春の方が、内容的には実り多い感じがするのです。

 勿論、「強打」が持ち味ではあるのですが、「守備力」も水準以上ですし、走塁意識も高いレベルにある。

 

 良くも悪くも、3番捕手の田村、4番遊撃手の北條の2人の中心打者の個人能力ありきでもあるかもしれませんが、田村、北條の2人、御世辞抜きにして、「野球IQ」の塊でしょう。

 状況、局面に応じて、「いま自分は何をすべきか」がよくわかっている。

 「つなぐ」べきか、「決める」べきかは勿論、守備での勝負どころでの集中力。北條については、3盗塁の機動力の高さも、特筆に値するでしょう。

 

 ただ、だからこそ、「田村、北條を最大限に活かす打順編成」、それが、今夏の悲願の「深紅の大優勝旗」を叶える絶対条件になるように、強く考える訳です。

 勿論、「選手層の底上げ」「投手陣の個人能力の向上」は言わずもがなですが。

 

 

 (図解1)光星学院において「田村、北條を最大限に生かし得る打順編成」とは。

 

 [1]「田村4番、北條5番」の場合。

 

 (1右・天久、2左・村瀬、3一・武田、4捕・田村、5遊・北條、6三・大杉、7二・城間、8中・木村拓、9投・金澤)

 

 個人的には、田村はチームの絶対的主砲ですから、4番にすれば「絵になる」と思いますが、その場合、「田村の前に走者を出す」「北條の後に有能な打者を置く」、この2つの両立が求められることになります。

 となると、田村の前に走者を置くには、中軸クラスの打者を置きたい。となれば、田村・北條の「2枚看板」に遜色ない打者が求められることになる。

 だから、「3番武田、6番大杉」。大杉は勝負強さを買ってのことです。

 ただ、そうなると、2番打者の底上げが求められるかな、と。ここでは村瀬を置きましたが、正直、ややハイリスク気味な感じも、正直抱きます。

 

 

 [2]「田村3番、北條4番」の場合。

 

 (1右・天久、2三・大杉、3捕・田村、4遊・北條、5一・武田、6二・城間、7左・村瀬、8中・木村拓、9投・金澤)

 

 個人的には、「深紅の大優勝旗」に拘るならば、少なくとも「現有戦力」に照らせば、上記の[2]の打順編成の方が望ましい、と自分は考えます。

 テイストとしては、「打者の有能性としての個人能力の順に並べる」という感じに近いですね。「上位打線偏重型」というリスクもありますけど。

 快足の天久を1番に、勝負強い大杉を2番にする。で、田村、北條の直後に、長打力がある武田を置く。

 そうすれば、「田村の前に走者を出す」「北條が敬遠されても得点力を落とさずに済む」ことを可能にし得る、と考える訳です。

 勿論、「田村・北條」の順序にするのは、チームで最も飛距離があるのが田村ですから、田村が敬遠されても、それとほぼ同等の打撃力の持ち主を直後に置いた方がよい、だから、「田村・北條」である訳です。

 北條は、飛距離こそ田村に若干劣りますが、勝負強さは、世代最高レベルを誇りますから。勿論、「野球IQ」を高く評価するからこそでもあります。

 

 

 (4)印象に残った高校。

 

 印象に残った高校は、正直いくつもありますが、2つの観点から、取り上げたいと思います。

 

 [1]卓越する能力、戦術面、あるいはひたむきさ等で印象的なチーム。

 

 健大高崎(4強進出、準々決勝までの3試合で16盗塁の圧倒的な機動力。絶対的な「個」、あるいは長打力がなくとも、卓越する能力がチームとして1つでもあれば、全国の大舞台でも高いレベルで通用することを証明した。)

 関東一(守備力の高さ。特に外野は守備範囲が広い。打撃でも粘り強いつなぎの姿勢がにじみ出ていた。)

 鳴門(2試合連続延長サヨナラ勝ちに象徴される、「絶対に最後の最後まで諦めない姿勢」。捕手の日下を軸とする守備の堅さも特筆。8強進出、是非とも今夏も甲子園に出場して欲しい。)

 九州学院(16強敗退に終わったが、遊撃手の溝脇を軸とする「鉄壁の守備」はまさしくプロ顔負け。「頭脳的野球」の可能性を強く感じる印象深いチーム。もともと強打が持ち味のチームだが、そう攻守にバランスが取れるチームへと成長した感じ。今夏が楽しみ。)

 

 

 [2]応援面で印象的なチーム。

 

 宮崎西(県内最高峰の進学校。「文武両道」を地で行く学校であり、野球部も少なからず活動に制約があると伺うが、特に守備力の高さは特筆に値する。3安打完封負けの打撃面は課題ではあるが、「宮西」の鮮やかな人文字、そして一糸乱れぬ声出しは、名門校顔負けの「気持ちの強さ」「結束力」を感じる。あらゆるところで「頭脳性」「知性」を感じる。絶対に今夏甲子園に帰ってきて欲しい!と最も強く感じる学校。)

 智弁学園(応援の質では、さすが他の追随を許さないだけある。特に、勝負どころになると応援のボルテージを一気に上げるところは、智弁の応援団は、まさしく「10人目の選手」さながらであり、1回戦の早鞆戦の4番小野の逆転3ランは、まさに「応援の力」が導いたように映る。今夏は、智弁和歌山との「姉妹校同時出場」を是非とも叶えて欲しい。あと、余談だが、ツインテールの女子生徒が少なからずいたのが、彩りを添えていた感じ。)

 石巻工(結束力ある応援は、観る者の心に強く響いたであろう。個人能力の拙さ歯課題だが、守備力は高いレベルにあるので、機動力を磨いて、是非とも今夏甲子園に帰ってきて欲しい。)

 大阪桐蔭(これまでの大阪桐蔭は、応援時の選曲の拙さに、正直もったいなさを覚えていたのだが、選曲が格段に向上して[全体的に弾む感じになった]、そしてチアリーダーの活力が彩りを添え、士気を高めるのに大きく寄与した感じ[そして余談だが確かにかわいい]。チアリーダー、新高3、今春の選抜大会で引退とのことだが、感動的な経験ができて、素直に「おめでとう」と思うし、今後の人生において、大きな「志」「目標」に向かって生きて欲しい、と強く思います。)

 

 

 (5)印象に残った選手。

 

 今回は、新高3のみを対象に記します。ドラフト的観点全開であることを、御理解頂けると有難く思います。

 

 [1]藤浪晋太郎(大阪桐蔭)

 評価(競合1位)

 具体的寸評(球威抜群。2010年に春夏連覇を叶えた島袋[興南→中大]よりも凄い。体格の割に制球力も水準以上。NPBでも即戦力。200勝投手を目指して欲しいと本気で抱く選手。)

 

 [2]田村龍弘(光星学院)

 評価(1位)

 具体的寸評(打撃は技術も破壊力も高次元で兼備。「打てる捕手」として、城島の後継者になり得る。捕手としても、インコースを積極的に突く等、まさに非凡。肩も水準以上。あとは投手への声掛けを磨いて欲しい。)

 

 [3]北條史也(光星学院)

 評価(外れ1位~2位)

 具体的寸評(走攻守に高水準を兼備し得る遊撃手。特にシュアな打撃が持ち味。守備も高いレベルにあるし、3盗塁で走塁が非凡であることを証明。勝負強さも特筆。)

 

 [4]萩原英之(九州学院)

 評価(2位)

 具体的寸評(藤浪との「力と力の対決」は見応え充分であった。フルスイングにしてコンパクト。守備力も向上しており、将来性の高さを感じる。)

 

 [5]溝脇隼人(九州学院)

 評価(2位)

 具体的寸評(バットコントロール、走塁技術も非凡だが、卓越するのは守備。特にポジショニングはまさに「牙城」そのもの。守備だけならば既にNPBでもハイレベル、即戦力。打撃力を上げればNPBでも息長く主力を張り得る。)

 

 (6)濱田龍郎(愛工大名電)

 評価(1位)

 具体的寸評(球威は力感がある。球質が重い感じ。変化球を磨けば、早いうちの1群も充分あり得るかも。)

 

 

 いずれにせよ、とても感動的な、今春の高校野球選抜大会でした。

 そして、今夏の高校野球選手権大会も、楽しみにしたいと強く思います。

 

 

 長文、駄文、とても申し訳ございません。

 未熟な自分で申し訳ないですが、今後とも何卒よろしく御願い申し上げます。