「2012年NPB、セリーグCS最終S第6戦、『10・22』を終えて思うこと(その1。自分が考えるNPB名勝負列伝)。」

 こんにちは。愛球人と申します。

 

 「愛球人ホームページ。」、第28回のブログエントリーの論題は、「2012年NPB、セリーグCS最終S第6戦、『10・22』を終えて思うこと。」です。

 

 実質的には、ブログエントリーの本論の27回目になります。そして、NPBブログエントリーの1回目になります。

 

 では、今回のエントリーにおける考察を始めます。

 

 

 1994年10月8日。いわゆる「10・8」(ナゴヤ球場、中日対巨人)。

 NPBの長い歴史の中でも、最高の試合といわれています。まあ、内容というよりは、シチュエーション的に、という感じであり、内容的なことでいえば、他にも伝説的な試合はいくつもあるように思いますが。

 とはいえ、あの「10・8」は、永遠に語り継がれてしかるべきであるように思いますし、特に、あの巨人の、「槙原→斎藤雅→桑田」の超豪華リレー(当時、巨人の先発三本柱といわれた)には、巨人の優勝への並々ならぬ執念を感じました。

 

 その伝説の「10・8」に匹敵するシチュエーションになったのが、今回の、「10・22」です。

 尤も、これまででも、クライマックスシリーズが始まってから、最終戦に持ち込まれたことは、何回かありました。2010年のパリーグCS、千葉ロッテがソフトバンクをアップセット(下克上)したときは、まさにこれに該当します。

 内容的な意味では、あのときの千葉ロッテの方が、濃密であったといえるかもしれません。ですが、やっぱり、「巨人」と「中日」という名門球団の対決が、より一層、自分の心を躍らせたのかもしれない、と思います。

 

 結果は、4対2、巨人が日本シリーズ進出になりました。その意味で、「10・8」と同じ結末になった。

 堂上剛(中日)が試合後に号泣していた感じでしたが、自分が率直に感じるのは、「御互いに全力を尽くしたよ。中日だって、持てる力、打てる手はやりきったと思うよ。」ということです。

 「あのときこうすれば」、それが、「10・8」ではあったように映る。それに対して、「10・22」では、打てる手は尽くしたと思う、自分はそう考える訳です。

 

 巨人の勝因、中日の敗因、紙一重であったように思います。いわゆる「持ち駒」(特に先発投手)の意味で、巨人にやや分があったように思いますが、中日も、有望な選手が、投打ともに徐々に、そして着実に育っていることも、感じさせました。

 惜しむらくは、強いて挙げれば、中田賢の故障さえなければ…、ということでしょうか。

 

 内容的な意味でいえば、正直、もう少し接戦であって欲しかった、とは思います。

 先程、号泣した云々で言及した、堂上剛が、確か2回ほど、ヒット性のあたりを凡打になるなど、「不運」に泣いたことも、考慮して然るべきと思いますけど。

 とはいえ、巨人が、2番手に澤村を投入したところが、やはり、あの「10・8」を彷彿とさせる。我々は絶対に勝つんだ、という「執念」を強く感じました。

 

 では、自分が考える「名勝負」は、といえば、ということで、下記に、5つ挙げたいと思います。

 

 

 (図解1)私(愛球人)が考える、NPB歴代名勝負列伝。

 

 (1)1985年4月17日、「バックスクリーン3連発」(阪神対巨人。バース、掛布、岡田)。

 (理由:映像の世界でのことだが、簡潔に述べれば、「絵になる」から。やられる方にはたまったものではないが、特に見ている人間に勇気や希望を与え得ると思うから。)

 

 (2)1994年10月8日、いわゆる「10・8」決戦(ナゴヤ球場。レギュラーシーズン最終戦での優勝決定)。

 (理由:これ以上ないほどのシチュエーションであったから。)

 

 (3)2006年10月12日、パリーグCS最終S第2戦(日本ハム対ソフトバンク。いわゆる「斎藤和巳の涙」。)

 (理由:一球をめぐるドラマ。これが野球なんだ、と感じた。)

 

 (4)2010年10月18日、パリーグ最終S第5戦(千葉ロッテ対ソフトバンク。千葉ロッテが最終決戦に望みをつなぐ。)

 (理由:アクセントとしての「2番清田」、小野のロングリリーフ、代打福浦の的中等、西村監督の「策士」ぶりが垣間見えて楽しかったから。)

 

 (5)2008年10月8日、東京ドーム頂上決戦(巨人対阪神。巨人が最大13ゲーム差をひっくり返して、この試合に勝って「メークレジェンド」完結。)

 (理由:「最後の最後まで諦めない」ことを学ばせて頂いた試合。阪神側からみれば、大ショック極まりなかったけど、一野球ファンとしては心にじーんときた。)

 

 

 そして、今回の「10・22」となっていった訳です。

 

 それにしても、思えば、今季のNPBは、「一つの時代の終わり」を強く実感させるものとなったように思います。

 

 金本知憲(阪神。連続フルイニング出場試合数1492、通算安打数2539本を誇る、「平成の鉄人」。)

 小久保裕紀(ソフトバンク。通算2041安打、通算413本塁打等、長きにわたりソフトバンクの中心打者として君臨した。)

 英智(打撃は非力であったが、それを補って余りある、堅守強肩で、NPB史上でも有数の外野守備を誇った。)

 

 この3人は、「記憶」に残る存在であったように思います。まぎれもなく、球界に一時代を築いた(英智はそうとは言えないかもしれないが、チームの結束力を考えるにあたり、なくてはならない存在であったといってよい)。

 思えば、中田翔(日本ハム)、坂本勇人(巨人)、田中将大(東北楽天)とう、いわゆる「新世代」の活躍が目覚ましくなっております。いわば、「2012年」のNPBは、一つのサイクルの転換期(あるいは終わり)、そういえるように思うのです。

 

 尤も、3人それぞれの「引き際」には、とても強く考えさせられるものがありました。

 金本は、「限界と感じたから引退する」感じ。

 小久保は、「燃え尽きたから引退する」感じ。

 英智は、「愛する球団から『もういらん』といわれたから引退する」感じ。

 

 いずれも、一つの真理であると思うのです。そして、それぞれに、「辞め方」を選択することができた。

 その上、いずれも盛大に引退セレモニーをして頂けて(特に英智は、右翼観客席までの大遠投披露までついた。というか、英智は、まだ守備や走塁ならば、あと1~2年はできそうな、余力を残しての引退といえる)、とりわけ小久保は、札幌ドームにて、サプライズ胴上げ及び花束贈呈のおまけつき(両チームに胴上げされた)。何と美し過ぎる最期だこと。

 

 あまりにも心にじーんときたので、下記に、3人それぞれの引退セレモニーを、リンクを貼っておきます。

 

 

 (図解2)金本、小久保、英智、それぞれの通算成績、引退セレモニー。

 

 (1)金本知憲。

 [1]通算成績(ウィキペディア)。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%9C%AC%E7%9F%A5%E6%86%B2

 [2]引退セレモニー動画。

 http://www.youtube.com/watch?v=mn1u8cAuf5I

 

 (2)小久保裕紀。

 [1]通算成績(ウィキペディア)。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E4%B9%85%E4%BF%9D%E8%A3%95%E7%B4%80

 [2]引退セレモニー動画(4つ目が、CSでの札幌ドームサプライズ胴上げです)。

 http://www.youtube.com/watch?v=Mfvs6v40up0

 http://www.youtube.com/watch?v=D6zDUG5E1qI&feature=relmfu

 http://www.youtube.com/watch?v=lKMNAz-ZHfQ&feature=relmfu

 http://www.youtube.com/watch?v=Y9SiKAOxuFo

 

 (3)英智。

 [1]通算成績(ウィキペディア)。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%B1%E6%99%BA

 [2]引退セレモニー動画(1つ目がJスポーツ用)。

 http://www.youtube.com/watch?v=YqP5ug-15hg&feature=related

 http://www.youtube.com/watch?v=XgNp1f9i28Y

 

 

 それにしても、日本のスポーツ界は、他国に比べて、「引退セレモニー」を盛大に行う傾向があります(他国はさほどでもない感じがある。勿論ケースバイケースですが)。

 思えば、自分自身、今までのスポーツ観戦の中で、最も印象深いのが、八木裕、片岡篤史(いずれも引退時阪神)の引退試合です。

 八木は引退試合の相手は巨人。当日の試合は、「オール当日券」にすることになっており、朝早くからチケット代争奪戦に「参戦」したことを、今でも鮮明に覚えています。

 片岡の引退試合の相手は中日。中日、というよりは、立浪(高校野球ファンならばわかるかなと思いますが、立浪と片岡は、1987年のPL学園春夏連覇のときからの「永遠の盟友」です)相手の引退試合を望んだ、という感じです。このときも、両チームからの胴上げが叶いました。

 

 一つの時代の終わり。それは、新たなる時代の始まりにもなるのかなと思います。

 その意味で、10月25日、ドラフト会議、「藤浪晋太郎(大阪桐蔭)のNPB入り」は、象徴的な出来事になるのでしょう。

 

 正直述べれば、このあと、補強論に言及したいなあ、とも思ったりしますが、これは、ドラフト終了後に言及するかもしれません。

 では、(その2)では、クライマックスシリーズ制度論等について、自分なりに考察したいと思います。

 

 では、下記に、(その1)についてのリンク集を、示したいと思います。

 

 

 (図解3)今回のブログエントリーのリンク集(その1について)。

 

 (1)2010年NPBスローガン「ここに、世界一がある。」

 (「10・8」等、NPBの歴史上の名勝負が記されている。)

 http://fan.npb.or.jp/slogan/2010/

 

 (2)「10・8決戦」についての、ウィキペディアの記事。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/10.8%E6%B1%BA%E6%88%A6

 

 (3)「クライマックスシリーズ」とは(ウィキペディアより)。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA

 

 

 という訳で、長い文章になりますので、続きを(その2)にて記します。

 何卒、最後まで御拝読して頂けると、とても有難く思います。

 

 よろしく御願い申し上げます。