「2012年Jリーグ1部、愛球人が考える総括的考察。」

 こんにちは。愛球人と申します。

 

 「愛球人ホームページ。」、第31回のブログエントリーの論題は、「2012年Jリーグ1部、愛球人が考える総括的考察。」です。

 

 実質的には、ブログエントリーの本論の30回目になります。そして、サッカーブログエントリーの6回目になります。

 

 では、今回のエントリーにおける考察を始めます。

 

 

 まず、今回のエントリーを執筆するにあたり、自分なりの理想とするサッカー観を、改めて下記に示したく思います。

 

 

 (図解1)「愛球人の基本的な『サッカー観』。」

 

 (1)「美しく魅せて勝つ」「スペクタクル」「できるだけ攻撃に人数を掛ける」「全員攻撃全員守備」「ファンタジスタを最大限に活かす」「トライアングルを最大限に駆使する」「創造性、仕掛け、スペースを重要視する攻撃」「長短のパスおよびドリブルを最大限に活用する攻撃」。上記の8つの要素が、自分の理想とするサッカースタイルです。

 (2)基本的に、選手、サッカースタイルを楽しむ、というのが、自分のサッカー観戦における基本スタイルです。ですので、特定のサッカースタイルに傾倒する傾向が強い一方で、特定の応援チームはございません。ですが、好きな選手はたくさんいる感じです(恐らく少なくとも日本人選手だけでも30人は超えるかと)。

 (3)「自分たちのサッカースタイルの構築及び具現化」に対する強いこだわりを抱いており、ブログエントリーでも、このことを前面に押し出す傾向が強いことを御理解頂けると有難く思います。また、「移籍市場大好き人間」でもありますので、このことをも御理解頂けると有難く思います。

 

 

 上記のように、とりわけ、自分は、「できるだけ攻撃に人数を掛ける」「トライアングルオフェンス」の信奉者です。

 ですが、今季のJリーグは、下記の言葉(概念)に収斂し得るでしょう。

 

 

 「JリーグのセリエA化(イタリアサッカー的テイスト化)。」

 

 

 これはどういうことか。いわば、「相手の良さを消しつつ、攻守の切り替え(トランジション)を素早く遂行して、いかにして得点を獲るか、勝利するかを追究する。」、そのようなサッカーが、日本サッカーの辿り着こうとしている道であるのかな、と感じる、それが、「2012年のJリーグ」であったように、自分には映ります。

 

 

 ここで、自分のHPでの、2012年年初のエントリーを、2つ再掲のリンクを貼ります。

 

 (1)「2012年新春、愛球人の考える、日本サッカー界の論点。」(2012年1月28日)

 http://aikyujin.jimdo.com/2012/01/28/

 

 (2)「2012年Jリーグ1部、自分なりの開幕直前考察。」(2012年3月5日。その3まであります)

 http://aikyujin.jimdo.com/2012/03/05/

 

 

 で、1月28日のエントリーにて、自分は、「2012年の日本サッカー界の論点」として、「日本サッカーとしての『サッカースタイル』の構築及び具現化。」を記しました。

 これがどれほど実現できているかは、正直わかりませんが、「トランジションオフェンス(攻守の切り替えの素早さを重視するサッカー)」が、日本サッカーが目指そうとする道なのかな、ということを、今後注視していく必要があるかな、という感じです。

 

 思えば、ワールドサッカーに目を凝らせば、近年、バルセロナのサッカーが称賛されていますし、自分も、純粋に素敵だなあ、とは思います。

 とりわけ、昨季のCWC決勝の、サントス(ブラジル)との試合は、まさしく衝撃でした。純粋に、「すごーい」と。

 ですが、バルサのサッカーは、確かに美しいとは思いますが、あれは、「メッシ」「イニエスタ」がいるから成立するのだ、とも思うのです。残念ながら、日本には不可能だろうなあ、と感じざるを得ないんですよね。

 

 で、バルサと対極の存在として、モウリーニョ(Rマドリード)のサッカーが挙げられます。このモウリーニョこそ、「トランジションオフェンス」の象徴でしょう(特に3冠を叶えた、09-10シーズンのインテルミラノ時代)。

 

 

 個人的には、繰り返しますが、「トライアングルオフェンス」が大好きです(ですから、清水、川崎には、決してめげることなく、現在のサッカーの方向性を探究し続けて欲しいです)。

 ですが、「トランジションオフェンス」(特に、守→攻への切り替えの素早さ)との融合、いわば、「トランジション+トライアングル」という領域へと到達できれば、もっと素敵だなあ、と思う感じではあるのです。

 

 

 で、今季のJリーグを振り返るにあたり、いくつかの傾向が、見受けられるように思うのです。

 思えば、結果を出したチーム(広島、仙台、浦和、柏、鳥栖)に共通するのは、「守→攻への切り替えの素早さ。どこでボールを奪うかの意思統一。」が、明確になされていたように感じるんですよね。

 

 その一方で、結果を出せず苦しんだチーム(G大阪、鹿島、名古屋)に共通すること。

 「自分たちのサッカースタイル」を見失ったこと、及び、「守→攻への切り替えが遅く、どこでボールを奪うかの意思統一ができていなかった。」ということであるように映るのです。

 

 

 まず、降格したG大阪。

 降格の要因は、それこそいくつも挙げられ得るでしょう。

 

 

 (図解2)自分(愛球人)が考える、G大阪降格の要因。

 

 (1)世代交代の失敗(未だに明神が定位置であること、加地の後継者を見出せていないこと、遠藤不在時のプランBを構築できなかったこと、等々)。

 (2)守備意識を後回しにしたことのつけ(G大阪の長年の強い攻撃意識は称賛に値するが、守備意識の向上も課題であり続けてきた。主力の高齢化で、ついに守備意識の希薄性のぼろが出た感じか)。

 (3)特定の一部選手への依存のつけ(はっきり述べれば、外国人FW、遠藤、二川といった「特別なタレント」が何とかしてくれる、という「依存的サッカー」が無意識的に浸透していなかったか。「個で押し切るサッカー」はもはや限界であることを露呈した帰結と自分は思うが)。

 

 

 主としてこの3つでしょう。勿論、フロントの無能ぶりは言わずもがなですが。

 勿論、西野朗政権の終わりはいつかはきます。それは頭では分かっていた。

 ですが、後任には、個人的には、たとえ攻撃志向の強い監督を置いても大いによい、とは思った訳ですが、それならば、「守備に明るいアシスタントコーチを置く(一応、クラブOBの実好が該当するのだが…)」ことができなかったか、と思う訳です。

 

 個々の選手の質は、確かに高かったのかもしれません。ですが、フロント等をも含めた「クラブ力」は、結局ついていなかったのかな、と。

 受け入れたくはないですが、正直、「なるべくしてなった降格」と自分は思っています。

 

 

 もう一つ。名古屋についても、言及しておく必要があるでしょう。

 

 今季の名古屋。結果こそ、7位(勝点52)でしたが、内容的には、降格したG大阪や、降格の危機にあえいだ鹿島と似たりよったりと感じる、体たらくぶりでした。

 ピッチを大きく使うダイナミックなサッカーはどこへやらの感じで、この力に依存する状況が急激に進行。そして、攻撃の軸のケネディが今季は万全の状態になく、攻守両面で、あまりにも闘莉王への依存度が強くなり過ぎてしまった感じがあります。

 今季、CHの田口の台頭こそありましたが、ここ数年の懸案である、「若手育成」は、結局今季も思うようにできなかった。これこそ、名古屋の最大の不安要素といえるでしょう。

 

 

 それにしても、今季のJリーグ。浮き彫りになったことは、「ACLトロフィーを叶え得るビッグクラブの再構築が急務である。」ということです。

 率直に述べますが、現状では、浦和が8強を叶え得るかな、という程度で、ファイナル(決勝)進出など、とても想像できません。

 

 今季のACLは、蔚山現代(韓国)が優勝しましたが、韓国勢は、「トランジション+トライアングル+気持ちの強さ」を見事なまでに体現できており、中国勢、中東勢の資金力の向上は、目を見張るものがあります。

 どうすれば、Jリーグ勢が、ACLで、これら諸外国のチームに対等に張り合い得るのか。もはや批判を覚悟で、「1強支配体制」をも厭わぬ覚悟で、ビッグクラブ再硬直、これしかないと思うのです。

 

 

 ですが、この「ビッグクラブ再構築候補」になり得るのは、名古屋、浦和の2クラブくらいでしょう(広島、仙台は、資金力や選手層で結局不安感が否めないので)。それに浦和は、ミシャスタイルにはそれなりの共感は抱けるのですが、ACLを考慮すれば、現行の「3-4-2-1」に加えて、「4-2-3-1」とかのようなプランBをも本腰を入れて構築しないと、新たなる栄光はつかみにくいかも、と思う訳です。

 ここ数年の懸案事項である、「直輝と柏木の共存の実現」。まあ、11年シーズンの終盤で、一定の形は実現できてはいるのですが、ミシャスタイルの中に、「直輝と柏木の共存」、ということを落とし込むには、「2列目で、(右から)柏木、直輝、梅崎(元気)を並べて同時起用する」、これに尽きるのかな、と自分は思うのです。

 

 

 となれば、結局、自分としては、名古屋に最も期待するんですよね。ACLトロフィーを奪還し得るJリーグ勢の最有力候補、としては。

 

 という訳で、自分なりに考える、今オフの名古屋の望ましい補強戦略、及び、現時点における2013年名古屋理想布陣を、下記に示したいと思います。

 

 

 (図解3)愛球人が考える、2012年オフにおける、名古屋の望ましい補強戦略。

 

 (1)既に、金崎の放出がほぼ確定で、ヤキモフスキ(OHを主戦場とする大型MF。SSにも対応可能)の獲得もほぼ確定だが、永井謙の国外挑戦の容認はやむなしか(欧州でもそれなりに充分通用し得ることは、ロンドン五輪で実証されているため)。

 (2)遠藤、今野のダブル獲りは、「チーム再構築」のためには、「使命」といってよい(やはり名古屋には、「Jの盟主」であり続けて欲しいので)。ただし、そのためには、相応の資金投入を厭うべきではない。

 (3)遠藤、今野のダブル獲り実現のための資金捻出として、ダニルソンは売却やむなし。その一方で、それにより外国人枠が一つ浮くので、それを用いて、攻撃力向上のために、ブルーノ・ロペス(新潟)の獲得に動いて欲しい(ケネディの衛星役としても代役としても充分機能し得るかと)。ダニエルは残留でOK。

 (4)サイドの補強が必要。特に、左右両サイドのあらゆるポジションを高次元でこなせる渡邉大(大宮)は、是非とも獲得に動くべき好タレント。また、高さがあって、WGにも対応可能な、ケネディの代役的なFWとして、佐藤洸(岐阜。今季J2で10得点。三重県出身なので、地元選手でもある)を獲得に動くことも望ましいかと。

 (5)若手育成は急務。とりわけ、攻撃の好タレント、田中輝、田鍋には、積極的に出場機会を与えて成長を促し、左SBの佐藤和も、阿部翔と切磋琢磨させてしかるべきかと。大卒新人のCB、牟田も然り。

 

 

 (図解4)現時点における、2013年名古屋理想布陣。

 システム(4-2-3-1)

 監督(ストイコビッチ)

 ([]印は、現時点での補強候補。)

 

                     ケネディ

                    (佐藤洸)

 [ブルーノ・ロペス]         [ヤキモフスキ]              藤本淳

(玉田)                (田中輝)             (小川、田鍋)                   

            [遠藤]              ダニエル

            (中村直)            (田口、磯村)  

 阿部翔         闘莉王             [今野]       [渡邉大]

(佐藤和)       (増川)             (牟田)       (田中隼)

                     楢崎

                    (高木義)

 

 

 それにしても、今後のJリーグにおいて、気に掛かるのが、有望な若手の選手流出にどう歯止めをかけるのか、ということです。

 そしてまた、代表人気は上昇中だが、Jリーグ人気は下落傾向にある現実をどう打破するか、とも。

 

 結局、「日本サッカーとしてのサッカースタイル構築」は勿論ですが、各クラブが、「ACLトロフィー実現」に向かって総力を挙げて補強及び育成に励むこと(特に下部組織を強固にすることがとても大切かと)、このことを、強く抱く感じです。

 

 

 最後に、自分なりに考える、今季のJリーグの印象に残る選手を、独断全開で申し訳ないですが、選出させて頂きます。

 

 

 (図解5)愛球人が考える、2012年Jリーグ1部の表彰選出選手。

 

 (MVP)佐藤寿人(広島)

 (今季22得点で得点王。チームもJリーグ優勝。長年の実績に照らしても、文句なしの感じかと。)

 (新人王)河井陽介(清水)

 (大卒1年目にして、32試合に出場、MFの定位置をしっかりとつかむ。魅力的な攻撃サッカーの中心的存在の一翼を占めた功績は大きいかと。)

 (MIP)村松大輔(清水)

 (もはや絶対不動の清水のアンカーに。足下の技術や攻撃意識も着実に向上しており、気持ちの強さはもはやピカイチ。自分が代表監督ならば、既にA代表に組み込む水準にまで到達している感じ。)

 (カムバック賞)梅崎司(浦和)

 (今季の浦和の復活は、梅崎の復活によるところが大きいかと。度重なる故障からの華麗なる復活劇は、日々のたゆまぬ努力のたまものであり、不慣れな左WBも、守備意識と運動量の飛躍的向上という産物をもたらし、シーズン終盤では2列目として躍動。)

 

 

 (図解6)愛球人が考える、2012年Jリーグ1部ベストイレブン。

 システム(3-4-1-2)

 監督(森保一)

 

             寿人               豊田

 

                     俊輔

 

 梁勇基                                 レアンドロ(柏) 

                   

             陽介               青山敏

 

         槙野          闘莉王           角田

 

                     西川

 

 

 上記を以て、自分なりの、2012年Jリーグ1部の、総括的考察とさせて頂きたく思います。

 

 

 長文、駄文、とても申し訳ございません。

 未熟な自分で申し訳ないですが、今後とも何卒よろしく御願い申し上げます。