「野球日本代表、2013年春、WBC第4回大会の覇権奪還のために大切なことの一考察(その3。どのような「最強NPB選抜」としての選手選考をすべきであったのか)。」

 こんにちは。愛球人と申します。

 

 「愛球人ホームページ。」、第38回のブログエントリーの論題は、「野球日本代表、2013年WBCにおける敗因総括分析、及び、今後のWBCの覇権奪還のために大切なことにおける、現時点で感じること。」です。

 

 実質的には、ブログエントリーの本論の37回目になります。そして、NPBブログエントリーの5回目、野球日本代表ブログエントリーの3回目になります。 

 

 では、(その2)の続きから、考察を始めます。

 

 

 (その1)において、「負けるべくして負けた」、ということについて。

 (その2)において、「ビジョンの稚拙性」「統一球」「選手選考」の3つで負けた、ということについて。

 このことを、それぞれ述べさせて頂きました。

 

 では、(その3)では、(その2)の末文において記した、「最強NPB選抜」としての「28人枠」を編成する努力ができなかったから負けた、と述べさせていただきましたので、具体的に、どのような「28人枠」を編成すべきであったのか、について述べたいと思います。

 

 

 こういう選手選考をすべきであった、というのは、思うことは、正直いろいろとあります。

 これは、2月25日の、「プレビューエントリー」でも、ふつふつと抱く違和感、危機感を、滲ませる感じの文章にて示しております。

 

 下記に、この、「プレビューエントリー」で示したことを、いくつか再掲させて頂きます。

 

 

 (図解4)2013年WBC野球日本代表、「3連覇」実現のために絶対に必要と考える「7つの要素」(プレビューエントリーにおける、[図解22])。

 

 (1)ファンが「29人目の選手」として最大限のサポートを!

 (2)選手28人、指揮官が「心を一つに、同じ方向を向く」!

 (3)特定の選手と心中せず、それでいて「自分たちの野球」を貫くこと!

 (4)捕手、内野手は、投手への声掛けを積極的に!それだけでも投手にパワーがみなぎる!

 (5)一つでも先の塁を貪欲に!盗塁、バント、エンドランを駆使すべし!

 (6)状況に応じた巧みな継投を!投球数制限をも強く意識すべし!

 (7)敵は己の中にあり!積極的なプレーをしてこそ、勝利をより引き寄せ得る!

 

 

 (図解5)「40人枠」「28人枠」において、今回のWBC日本代表で留意すべきであったのでは、と感じる要素(プレビューエントリーにおける、[図解11])。

 

 (1)直近のシーズンで結果を出した選手を最優先で選出する(タイトルホルダーを軸に、規定打席、規定投球回数に到達した人間を出来るだけ召集する、ということ)。

 (2)コンディションを最優先して選出すること(どれほど実績があろうとも、万全な体調でなければ水泡に帰する。逆に力量的にボーダーラインでも、「準備ができている」選手であれば、積極的に選出して然るべきとも考える)。

 (3)「軸」を明確にしておく(先発3本柱、絶対的抑え、中軸の3人、正捕手はあらかじめ明確にした方がよい)。

 (4)タイプ別バランスを重要視する(国際大会の特性を考慮して、投手ならば、技巧派、左腕投手をできるだけ多く配した方がよい。打者ならば、複数の守備位置を高次元で対応し得る打者[いわゆるマルチロール]、走塁技術に優れる打者を出来るだけ多く配することが肝要かと)。

 (5)投手の構成において、どのような役割にも対応し得る投手(普段は先発だが、ロングリリーフやワンポイント起用をも厭わない利他的なメンタリティーの持ち主)、あるいは、抑え経験者(ピンチの局面になれているから)を、できるだけ多く選出する(ただし、救援専門の投手は、あまり多くなり過ぎないことも肝要。長いイニングに対応できる投手が多い方が有利でもあるので)。

 

 

 (図解6)自分(愛球人)が考える、現時点における、「2013年WBC日本代表28人枠」選出における基本スタンス(プレビューエントリーにおける、[図解12])。

 

 (1)「NPBオールスターズ」を最大限に具現化し得る陣容にする。そして、「チーム」として機能し得る「最強」の28人枠にウェートを置く(「最高」が「最強」とは限らないので)。

 (2)基本的なベースは(図解5)の方針。で、WBCはタフな闘いであるので、心身の負担があまりにも大きい。故に、精神力を重要な選考要素とする。また、主として35歳以上のベテラン選手は原則的に選考対象から除外。

 (3)投手は左右のバランスをできるだけ重視する。特に対強豪国、あるいはパワー型の打者をいかにして封じるかと考えると、技巧派をできるだけ多く配しておきたい。

 (4)打者については、ポジションバランスに留意したい。また、破壊力で他国にどうしても劣ることや、他国が総じて守備力に不安を抱えることをも踏まえても、走塁力に優れる選手をできるだけ多く配したい。

 (5)対左腕投手ということをも踏まえても、同等の能力であれば、右打者の方を優先させる。また、できるだけ何か一つ以上に特筆する能力を持つ選手や、複数ポジションに対応可能な選手を優先して選考したい。故に、タイトルホルダーでも容赦なく落選対象になり得る。

 

 

 では、まず、(図解4)にて示した、「7つの要素」についてを考察することから、始めようと思います。

 

  この、「7つの要素」のうち、できていなかったこと。

 (3)「特定の選手と心中し過ぎない!」(6)「状況に応じた巧みな継投を!」

 この2つが、明らかにできていなかったように思うのです。

 

 また、(5)「一つでも先の塁を貪欲に!」も、今回のメンバー、という意味では、それなりによくできていたかな、とは思いますが、やはり、走塁に卓越する選手が、明らかに不足していた、そのような局面を、自分は正直少なからず抱かざるを得ない感じでした。

 

 その意味では、(7)「敵は己の中にあり!」、結局は、それに泣いたのかもしれません。

 ですが、それは、選手に「気持ち」が足りなかったのではない。持てる能力は、精一杯出し切ったと思います。

 問題の本質は、「代表だからこそ、国際試合だからこそ光り輝ける選手を何人か組み込まなかったこと。」にあると思うのです。ただしこれは、MLB組を呼ばなかったことにあるのではない。NPB組の中での、「国際試合だからこそ輝き得る選手」を呼ばなかったことに、問題の本質がある、と強く考える訳です。

 

 報道やツイッター、ブログとかでも、「MLB組を呼ばなかったから負けた。」という論調が散見されます。確かに、気持ちはわからなくはありません。

 ですが、MLB組を呼ぶと、起用法等で、どうしても気を遣わざるを得なくなる。不調だから外す、ということが、なかなかできないのです。

 これは、「短期決戦」では、少なからず足かせになります。尤も、MLB組で、全盛期クラス(目安として、23歳~34歳)の選手を、10人以上も擁しているとかならば、話は違ってくるかもしれませんが、そこまでいく訳ではないですから、少なくとも今回は、無理をしてまで組み込む必要はなかった、というのが、自分の考えです。

 

 そりゃあ、この選手がいたら、というのは、自分だって正直あります。特に、「おかわりの故障がなければ」というのは、正直、宮崎合宿のときから、少なからず感じましたから。

 ですが、MLB組、おかわりは、「いないもの」として、初めから考えるべきであった、と思うのです。大会期間中でも、「MLB組がいたら」と平気で公然と報道する、それが散見されることに、自分は違和感を覚えました。

 はっきりいいます。今回の28人が、「最高の28人」とも、「最強の28人」とも、自分は思っていません。ですが、せめて大会が始まれば、「現代表の28人」を全力で信じて応援しようよ!を貫いて欲しかった。現代表を信じ切れていない報道が平気で散見される時点で、負けていたのかもしれない、と自分は思っています。

 

 

 そう。今回の代表の最大の問題点の要素。

 「『最強NPB選抜』としての『最強の28人』を編成する努力を怠ったこと。」

 だから、「負けるべくして負けた」。それが、自分の率直な考えです。

 

 

 今回の代表において、「33人」あるいは「28人」をみて、いくつかの要素が決定的に乏しい、と感じていました。それを、下記に示します。

 

 

 (図解7)自分(愛球人)が考える、今回のWBC野球日本代表における「28人枠」の陣容の問題点としての要素。

 

 (1)「抑え経験者」が少なすぎる(牧田、涌井、森福の3人のみ。国際試合は「1点の重み」がひときわ重く、ピンチの連続の可能性を覚悟せねばならない。ピンチの局面を切り抜けるためには、精神力に卓越する投手こそ必要であり、それは「抑え経験者」こそ最適任であるように映る)。

 (2)救援陣における「技巧派投手」が少なすぎる(ここでいう「技巧派投手」とは、「多彩な球種」を擁し、「卓越する制球力」を兼備し得る投手のこと。左右の別は問わない。イメージとしては、コーナーワークに優れ、緩急をつけられる投手、というイメージ。これに該当するのも、杉内、涌井、牧田の3人のみ[変化球投手、という視点で拡げても、森福を含めて4人のみ]。確かに本格派投手も重要だが、国際試合の場合、特に多彩な球種を投げ分け得る投手は、的を絞りづらくできるので、スイングの大きい外国人の強打者[特に、米国をはじめとする米州地域。ドミニカ、プエルトリコ、キューバ等]には大きな脅威になり得ると思うが)。

 (3)走塁、守備のスペシャリストの少なさ(肘を痛めた大島はやむを得ないが、2年連続50盗塁到達の聖澤を何故落選させたのか、実に意味不明。というか、選手選考の時点で、前年のシーズンでの20盗塁到達者は、できるだけ多く合宿に呼ぶべきだったのでは、と強く抱く)。

 (4)内外野両方守れるマルチロールを何故組み込まないのか(確かに、代表レベルで、この枠に該当し得る選手は正直少ないのが現状。浅村[埼玉西武]、明石[ソフトバンク]が該当し得るが、確かに快足だが、守備レベルは「中の上」ではある。とはいえ、今回の代表では、手持ちの大砲が少ないことは容易に想像できた訳であり、その意味でも、なおさら投手重視の編成にならざるを得ないことに照らして考えても、複数の守備位置をこなせる選手を1人組み込むべきではなかったか)。

 (5)少ない大砲だからこそ、そういった大砲候補は合宿に呼ぶべきだった(はっきりいえば、T岡田[オリックス]のこと。昨季は故障で満足なパフォーマンスではなかったかもしれないが、飛距離や弾道には、大きな可能性を感じさせるし、左利きだが、必ずしも左投手を苦にする訳ではない。守備力に不安はあるが、思い切りがよいので、せめて貴重な代打要員ということをも射程に入れて、戦力構想に積極的に組み込むべきではなかったのか。大砲といえるのは、中田翔、阿部くらいとなると、なおさらそれに次ぐ大砲のT岡田の存在意義は大きいと思うのだが)。

 (6)ベテラン打者を3人も呼ぶ必要があったのか(確かに経験は必要な要素ではあるが、これについては、阿部、内川といったあたりで充分に担保し得るし、「精神的支柱」の重要性は認めるが、これは「第3捕手」に充てればよかったのでは、と。打撃陣の層が薄いならばともかく、それなりにはいる訳だから、ベテラン打者を3人も呼ぶ必要はなかった。ましてや、盛り上げ役を担っていたのは、ソフトバンク勢[内川、松田、本多]であったことを考えるとなおさら)。

 (7)何故第3捕手が相川か疑問(確かに有能な捕手だが、勝利のメンタリティーの持ち主かはやや疑問符。「第3捕手」に「精神的支柱」を充てるのは共感だが、それならば、年齢的には中堅だが人一倍の人望とリーダーシップを併せ持つ嶋[東北楽天]なり、2006年[第1回]WBCの正捕手にして、もともと控え捕手の経験が長かった里崎[千葉ロッテ]を選出する方が、より理に叶っていたのではないか)。

 

 

 このように、今回の代表は、申し訳ないですが、「突っ込みどころ満載」の「28人枠」になった感じが否めません。中には、力量不足(名指しは直接はしないし、潜在能力の高い有望株とは思うが、所属チームで抑えとかになっている訳でもなく、1次Rキューバ戦で駄目押し本塁打を打たれたのは、残念だが、決して偶然ではない)の選手や、コンディション不良(特に浅尾。そもそも昨季、度重なる故障や不調でシーズンの半分以上を棒に振っている。所属チームで抑えという訳でもないのに、何故抑え候補と平気で挙げ得るのか、それ自体も疑問だった)の選手がいた。

 打撃陣も然りで、ただ打率の高い選手を集めただけ。野球IQ(状況判断能力等を含めて)、得点圏打率(チャンスでの強さ)、そういったことをどれほど考慮したのか、と。

 

 そもそも、国際試合の場合、総じて使用球場は広い球場が用いられる傾向があります(今回の場合、福岡ドーム、サンフランシスコ[AT&Tパーク]は世界有数の広い球場。確かに東京ドームはやや狭い球場だが)。とすると、本塁打等の長打攻勢は、ただでさえほとんど望めない。

 ましてや、現在の日本球界において、おかわり(中村剛)を除いて、代表レベルで、「大砲タイプ」といえるのは、正直数えるほどでしょう。

 中田翔、T岡田(松田、坂本、長野は、走攻守三拍子揃う「ハイレベルバランスタイプ」)、この2人くらいでしょうか(阿部は捕手なので、これにカウントするのはやや厳しいかも)。村田は統一球で打撃フォームを崩している感が否めませんし、栗原は昨季故障で事実上全休を余儀なくされました。畠山は貴重な「右の大砲」ですが、まだまだ「怖さ」が不足していますし、堂林(広島)、筒香(横浜)は、いずれ代表に入って欲しい「大器」ですが、あまりにも安定性がなさすぎます。

 

 大砲が2人(阿部を含めても3人。「右の大砲」に限定すれば中田翔1人のみ)であることに照らせば、この時点で、本塁打は、まずほとんど見込めない、そして、得点はさほど見込めない(いわゆるロースコア勝負に活路)、と覚悟せねばならない。

 となれば、おのずと、「投手力」「守備力」「機動力」、この3つに活路を求めるのは必然、自明の理であって、それに見合った陣容を組み立てる必要があったのではないか、と思うのです。

 

 ましてや、「優勝という成功」を収めた、06年WBC、09年WBCでは、この「つなぐ野球(打撃、走塁のみならず、細かい継投策をも含めて)」を生命線としてきた。06年WBCで、絶対的4番の松中(ソフトバンク)までもが、徹底してミートに徹していたのが、象徴的です。

 それに対して、「失敗」に終わった、08年北京五輪。申し訳ないけど、「打ち勝つ野球」が裏目に出て、大振り、拙守が目立った。五輪とWBCでは、球数制限や連戦数の多さ等、細かいルールの相違があるので、それを考慮する必要があるかもしれませんが、そういったかこの日本の野球の傾向も、考慮に入れる必要があったのでは、とは思うのです。

 

 

 かつて、1998年サッカーW杯で、フランス代表を優勝に導いた、エメ・ジャケさんが、2005年、ワールドサッカーダイジェストのインタビューにて、下記の趣旨のことを語っています。

 

 

 (図解8)サッカー元フランス代表監督、エメ・ジャケさんの言葉。

 

 「布陣、戦術というものは、手持ちの選手によって決めるものである。勿論、『自分たちのスタイル』を確立するに越したことはないが、自分が理想とする戦術をやりたくとも、それに見合った選手がいなければ、機能できない。最善の内容と結果を生み出すためには、布陣、戦術、選手が最大限に合致、符合できていなければならない。」

 

 

 そう。手持ちの選手がどのようなタイプが多いのか。まず、これに留意しなければならなかったはず。今回の場合、アベレージタイプの打者を多く集めていた感じですが、この陣容だと、どうしても単調な攻撃になりがち(つまり、攻撃の幅、レパートリーに乏しくなりがち)になるのです。そうすると、いずれ相手に読まれてしまう。

 走塁に卓越する選手を、何故多く揃える努力ができなかったのか、ということです。勿論、坂本、長野、松田のような、「ハイレベルバランスタイプ」は、重要視されて然るべきとは思うのですが、1番打者を固定できなかったことに(最終的には鳥谷で落ち着いたが、やはり荷が重かった)、今回の問題点が収斂されているように映るんですよね。何故、聖澤を組み込まなかったのか(走塁、打撃面のみならず、守備面でも重要な存在であったはず。2年連続無失策は、誇るべき重要な要素ではないか、と)、本多を積極的に活用しなかったのか(確かに昨季は満足できるパフォーマンスではなかったかもしれないが、それでも4年連続30盗塁到達は卓越する数字といってよい)、どうしても、理解に苦しむんですよね(レギュラーで処遇すべきかどうかは、いろいろな見解があるかもしれないが。ちなみに自分が指揮官ならば、1、2番で原則絶対固定する)。

 

 で、走塁でいえば、昨季成績が20盗塁以上の選手が、どれほどいるのか、ということですが、実は8人います。

 聖澤(東北楽天、54)、本多(ソフトバンク、34)、大島(中日、32)、糸井(オリックス、22)、長野(巨人、20)、明石(ソフトバンク、25)、荒波(横浜、24)、岡田(千葉ロッテ、23)。

 

 これが、昨季20本塁打以上の選手、となると、実は2人しかいません(故障欠場が確定していた中村剛[埼玉西武、27]は、ここではカウントしません)。

 阿部(巨人、27)、中田翔(日本ハム、24)。

 

 このように考えると、走塁、守備重視にすべきなのは、火を見るよりも明らかであったはず。「候補33人」の発表時から、荒波、岡田を何故合宿に呼ばないのか、という見解が散見されていましたが、盗塁数に加えて、外野守備の秀逸さ(特に荒波は、高校時代[横浜高校]から大舞台の経験が豊富なので、「勝利のメンタリティー」の意味でも的確であったはず)をも考慮すれば、確かに、少なくとも合宿には召集するに値したかもしれません。

 

 

 投手も然りです。確かに、抑えを牧田にするのは、一案であるとは思います(かつての渡辺俊[千葉ロッテ]も然りですし、韓国の鄭大炫[チョンデヒョン。ロッテ]にもいえるが、サブマリン投法は、国際試合ではかなりの脅威になり得るので。世界的に稀少だから)。ですが、自分は、抑えは、経験豊富で多彩な球種を誇る杉内がベストであったと思うのです(代表ではほとんどリリーフで活躍してきた)。

 ですが、抑えを牧田にするにせよ、杉内にするにせよ、苦しい局面で勝負どころを託せるリリーフが、杉内、牧田、涌井の3人しかいなかった(あとは澤村をも含み得るが、これでも4人。というか、澤村は、その「剛球絶対主義」のプレースタイルは、外国人の強打者は速球はむしろ得意なので、諸刃の剣である)。これではやはり、限界があるのです。

 

 牧田の独特の投法、そして物怖じしないメンタリティーは、それこそ国際試合向きなのです。ですが、良くも悪くも、緩急タイプの投手ですから、「抑え」に置くよりは、むしろ、「対強打者」に特化した中継ぎとして使うなり(左右の別は問わない。牧田の球は、急速差があり、かつ、浮き上がる直球を持つので、タイミングを合わせるのに苦労すると思うから)、前後(特に直後)に、本格派の投手を置くなり(例えば直後に、澤村、あるいは山口俊[横浜]を置くと、その落差に相手打者が面食らい、威力が増大し得る)した方が、より効果、存在意義が高まるように思う訳です。

 

 

 で、投手、特にリリーフ起用の問題については、結局、下記の方法しか、なかったように思うのです。

 

 「先発→第2先発(能見、内海、摂津等)→杉内、涌井、澤村→牧田。」

 

 勿論、先発クラスの選手を多く配することは重要です。先発が崩れても、第2先発がそれなりのイニングを投げられて、試合を立て直すことができますから。

 ですが、回が進むごとに(特に6回以後)、「1点の重み」の重要性が増してくる。そうなると、おのずと、細かい継投が求められてくる。

 ましてや、WBCには、球数制限に加えて、連投制限(最大で2連投まで)もあります。そうすると、複数の継投パターンを構築できるだけの層が求められてくる。そして日本の最大の持ち味の一つが、質量ともに充実の投手陣であるはず。

 

 正直、力量的に不安なリリーフが何人かいる(技術的な意味ではなくて、主としてメンタル的、あるいは相性的な意味で)、これがあまりにも痛かった。その意味でも、選手選考、つまり人選の失敗の帰結でしょう。

 

 

 いずれにせよ、今回のWBC日本代表は、「選手選考の時点で失敗だった」といわざるを得ないのです。このようなことを踏まえて、(その4)において、「自分が考える『最強NPB選抜28人枠』」の具体的考察を、させて頂きたく思います。

 

 

 という訳で、長い文章になりますので、続きを(その4)にて記します。

 何卒、最後まで御拝読して頂けると、とても有難く思います。

 

 よろしく御願い申し上げます。